「固定額2万リンギ」か、「利益の3%」か。ラブアン法人の法人税の選択基準。

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こんにちは。

KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

 

ラブアン法人の法人税申告シーズン真っ只中です

ラブアン法人は基本的に毎年12月末が事業年度末となっており、

そして、翌年の3月31日までに法人税申告をすることとなります。

2017年の11月や12月に設立したばかりの方も

第一期の事業年度末は2017年12月末となりますので、

2017年に関して2018年3月末までに法人税申告が必要となります。

弊社提携先ラブアン信託会社から法人税申告(Tax Return)に関するメールが届いているかと思いますので

ご確認のうえ、ご対応お願い致します。

 

「定額2万リンギ」か「利益の3%」の選択時期

ラブアン法人の法人税申告では、

「定額2万リンギ(約60万円弱)」を払うか、

それもと、「利益の3%」を払うかを、毎事業年度選択することができます。

それも、

事業年度が始まるときに選択するのではなく、

事業年度が終わった後に、法人税申告の際に選択する、という制度となっています。

ですので

2017年度が終わり、どれくらい利益がでたかを確認した後に

3%か2万リンギを選択できるわけです。

(融通がきいて素晴らしいですね)

ですので、基本的には

大きな利益がでた事業年度は2万リンギを選択し、

それほど利益が出なかった事業年度は3%を選択する、ということとなります。

 

分岐点は年間利益が2000万円くらい?

どれくらい利益がでたら2万リンギを選択すべきでしょうか?

単純に計算するなら、

利益の3%を計算してみてその額が2万リンギを超えているなら、2万リンギを選択した方が法人税額は安くなる、

ということになります。

つまり、利益(売上-経費)が2000万円を超えるあたりから、

2万リンギを選択した方がお得、

逆に、利益が2000万以下の場合は3%の方がよいということになります。

 

3%の場合はAuditorによる会計監査が必要

しかしながら、

どちらの方が法人税額が安くなるなるか、という観点以外にもいくつか判断材料にしていただきたい要素があります。

「利益の3%」を選択する場合は、ラブアン金融庁から認可を受けたAuditor(監査人)を選任し、

会計監査を受ける必要がある、

という違いがあります。

2万リンギを選択する場合は会計監査は不要です。

会計監査とは、簡単に言いますと、

御社が作成した会計帳簿が「会計ルールに則って適正に作成されているか」「帳簿上の数字が実態と合致しているか」等を外部監査人にチェックしてもらう

という手続きです。

監査人は会計監査を行った後、御社の会計帳簿に問題がないとの結論に至れば

その旨の監査レポートを作成してくれます。

「利益の3%」を選択して、法人税申告をする場合には、法人税申告書にこの監査レポートを添付することが求められております。

この会計監査、わりと手間がかかります。

帳簿に計上した数字が正しいことを立証するため、

監査人の求めに応じて領収書や請求書などを提出する必要があります。

また、売掛金が計上されていれば、その売掛先に問い合わせが入ることもあります。

銀行に対して残高照会も行われたりします。

また、監査人へ支払う報酬も必要となります。

報酬額は仕訳数、売上額等によって報酬額は異なり、

目安としては、USD500からUSD2,000前後という感じです。

 

結論としては、、、

法人税額だけでなく、上記のような要素(会計監査の手間や監査人の報酬)なども考慮しますと、

私の感覚では、

利益が1000万円を超すあたりから、定額2万リンギを選択することを積極的に検討されて良いと思います。

利益1000万円を出せる方や企業さんであれば、

法人税額を下げるために「利益の3%」を選択して会計監査に時間を費やすよりも、

すでに利益1000万円以上を生み出している本業の方に時間を費やして頂く方が

長い目でみればリターンが大きいと思うからです。

 

ちなみに普通のマレーシア法人の場合は、、、

ラブアン法人の場合は、2万リンギを選択すればAuditorによる会計監査は不要ですが、

通常のマレーシア法人の場合は、上記の会計監査の手続きが例外なく必要となります。

ほとんど活動していないような休眠状態にある会社でも会計監査は必要ということに今のところなっています。

私としては

早くシンガポールのように中小企業は会計監査不要、となってほしいところです。

 

Investment Holding のみを行うラブアン法人は無税

なお、Investment Holding 活動のみを行うラブアン法人は

ラブアンでは法人税が課税されない、という制度となっています。

Investment Holdingとは、子会社株式・債権の保有、知的財産権の保有、不動産の保有などを指します。

注意としましては、

ここでいう「Investment Holding のみを行う会社」とは

「投資活動のみを行う会社」と完全に同義ではない、ということです。

株や債権の保有のみを行っている会社でも

デイトレーディングのようなスタイルで行っているラブアン法人は Investment Holdingのみを行っている会社には分類されず

Labuan Trading Company に分類され、上記の「利益の3%」または「定額2万リンギ」の対象となります。

また、

「Investment Holding からの利益は非課税」という説明も少し違います。

Investment Holding のみを行っているか会社は非課税ですが

Investment Holding 以外にコンサル業やIT事業や貿易業などの実業を行っている場合は

Labuan Trading Company に分類され、Investment Holding の利益も含めて上記の「利益の3%」または「定額2万リンギ」の対象となります。

(といっても、定額2万リンギを選択すればそれ以上は税金はかからないのですが)

 

Labuan Trading CompanyとLabuan Non-Trading Company

上記のとおり、Investment Holding のみを行うラブアン法人は

ラブアンの税法上、Labuan Non-Trading Company と定義されており、

ラブアンでは非課税です。

そして、それ以外の事業を行う会社は、ラブアンの税法上、Labuan Trading Company と定義されており、

上記の3%か2万リンギの対象となります。

なお、わりとよくある間違いとしまして、

3%や2万リンギが適用されるLabuan Trading Company のことを「貿易業」を行う会社

と認識されている方がいらっしゃいますが、間違いです。

Trading の部分から、そのような勘違いが生じているのかと思いますが、

ラブアンの税法上、Labuan Trading Company は、Investment holding 以外の事業を行う会社、

と定義されていますので、

コンサル業を行う会社や、IT事業を行うような会社も Labuan Trading Company に分類され、

3%または2万リンギの対象となります。

 

 

それではまた。

2018年2月15日

司法書士 熊木 雄介
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