マレーシアで今すぐに有効な遺言を作成する方法 その2

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前回に引き続き、自筆証書遺言についてお届けします。

なお、前回の投稿でも注意事項として述べましたが、
ここで述べているのは「日本の」自筆証書遺言を作成する方法ですので、この遺言を作成したからといって、マレーシアにおける資産(銀行預金や不動産など)を遺志に沿ってスムーズに相続人へ引き継げるとは限りません。マレーシアの遺産については、また別の手当が必要となりますのでご注意ください。

 

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自筆証書遺言は海外で作成したものも有効?
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自筆証書遺言の成立要件は、前回の投稿で書いたものが全てです。
書く場所に関する要件はありません。

日本であろうが、マレーシアであろうが、旅先のホテルであろうが大丈夫です。

 

いつもの散歩コースの木陰のベンチでも、

 

愛着あるコンドミニアムの一室からプールを眺めながらでも、

 

はたまた中華街の屋台で雑踏に囲まれながらでも、

 

いつでもどこでも、

あなたの気分がのったときに作成できる。

それが「自筆証書遺言」です。

 

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夫婦で一緒に作成する場合、これだけは注意!
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マレーシアの場合、MM2Hプログラム(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム・プログラム)で定年退職後の人生を夫婦仲睦まじく過ごされている方も多いと思います。

そんなお二人が同時に遺言を作成することとなった場合、これだけは注意してください。

 

夫婦共同名義の遺言は、絶対に絶対にダメ!

 

どちらの遺言としても無効になってしまいます。

 

民法 第975条
遺言は、二人以上の者が同一の証書でこれをすることができない。

 

とはっきり条文に定められているのです。

夫婦で作成される場合は、それぞれ一通ずつを別々に作成するようにしましょう。

 

なお、
夫婦で「公正証書遺言」を作成する場合には、
どちらかが先に亡くなられた場合に備えた文言をあらかじめ入れておいたりするのですが(「万が一、遺言者より前に又は遺言者と同時に長男Aが死亡していた場合、遺言者は前条記載の不動産を遺言者の孫に相続させる」といった内容の文言)、
自筆証書の場合は公正証書に比べると費用が安く、手続きも簡易で、亡くなられた後にすぐ作り直すことも可能です。
そこまで気をまわして文案作成に時間をかけるよりも、まずは今誰に残したいかということだけに集中し、とにかくまず作ることが重要かと思います。

 

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今日はここまで! 次回に続く!
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大好評の「マレーシアで今すぐに有効な遺言を作成する方法」シリーズ!

次回以降は、

・忘れてはいけない! 「遺言執行者」の指定!
・自筆証書遺言だけで大丈夫?

などの内容をお届けする予定です。

いつでもどこでも作成できる自筆証書遺言ですが、
「公正証書遺言」に比べるとデメリットもありますし、
自筆証書遺言ならではの注意点もあります。
海外居住者にとって、公正証書遺言とどのように使い分けるべきか、
そのあたりのことを書いていこうと思っています。

それでは。

司法書士 熊木雄介
Mail: info@office-kumaki.name

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