こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。
中東情勢の緊迫化でエネルギー価格の先行きが読めない中、ポートフォリオの債券部分をどう構成するかを検討しました。ポイントは「原油高がどこまで続き、景気がどうなるか」によって、最適なデュレーション(金利感応度)が大きく変わるという点です。
現時点では、ポートフォリオの債券部分は、短期米国債ETFであるIB01.L(米国債0~1年、デュレーション約0.34年)と上記のIDTM.L(米国債7〜10年、デュレーション約7.5年)をメインにしています。
IB01はデュレーションが短いので金利変動の影響をほぼ受けないため、年利3.5%前後の利息収入を確実に得ることができます。株を押し目買いするときにも使えます。
IDTMは利回りは4%ほどあるものの、デュレーションが長めなので金利変動の影響を大きく受けてボラは高いです。その代わり、デフレ型の株暴落時のヘッジとして保険として組み入れています。
3つのシナリオと債券ETFのリターン試算
今回は、IDTMの部分の組み換えを検討していますので、比較対象は以下の2本のETF(いずれもアイルランド籍UCITS)です。
- CBU7(米国債3〜7年、デュレーション約4.3年);
- IDTM(米国債7〜10年、デュレーション約7.5年)※現在保有しているETF。
12ヶ月のトータルリターンを、3つのシナリオで試算しました。
※CBU7 https://www.ishares.com/uk/individual/en/products/253744/ishares-usd-government-bond-37-ucits-etf-acc-fund
※IDTL https://www.ishares.com/uk/individual/en/products/251716/ishares-treasury-bond-710yr-ucits-etf
シナリオ1:スタグフレーション(原油高+インフレ再燃+景気減速)
紛争が長期化し、原油が100ドル超で推移。インフレ圧力でFRBは利下げできず、長期金利が上昇。
- CBU7:約+1.3%(クーポンが損失を吸収)
- IDTM:約−1.9%(デュレーションの長さが裏目に)
→ SXRLが明確に有利。短いデュレーションがインフレショックに対する耐性になります。
シナリオ2:早期停戦→緩やかな利下げ
紛争が収束し、FRBが1〜2回利下げ。
- CBU7:約+5.1%
- IDTM:約+6.0%
→ IDTMがやや有利ですが、差は小さい。
シナリオ3:戦争拡大→景気後退
需要崩壊でFRBが大幅利下げ。フライト・トゥ・クオリティで国債に資金殺到。
- CBU7:約+8.1%
- IDTM:約+13.1%
→ IDTMが圧倒的に有利。株式暴落のヘッジとして最大の効果を発揮します。
シナリオ3の懸念点
景気後退(シナリオ3)を予想してIDTMを買っても、その前にインフレ急騰(シナリオ1)の局面を通過する可能性が高いのが現実です。原油が100ドルなら約−1.5%、120ドルなら約−2.6%、150ドルなら約−4.1%の含み損が生じ得ます(インカムを加味する前の価格変動)。
景気後退が来ればこの含み損は回復に向かうはずですが、この含み損の期間で判断がぶれそうです。
私の結論
ということで、方向性に確信が持てない現局面では、以下の構成が合理的だと考えています。短期米国債ETFのIB01は変更なしで保有してますので、もともとITBMで保有していた部分を下記の構成に組み替えるというイメージです。
- コア(7割):CBU7(3〜7年国債)。どのシナリオでもプラス圏を維持できる安定性。
- ヘッジ枠(3割):IDTM(7〜10年国債)。景気後退型の暴落時に最大のリターンを提供。
この構成なら、スタグフレーション型のシナリオでも債券部分全体のダメージは限定的で、景気後退型のシナリオではヘッジ枠が大きく貢献します。
重要なのは、ヘッジ枠のIDTMを「含み損の最中に売らない」という点を守ることですね。目まぐるしく状況が変わるのでこれが難しいところです。
10%~20%前後までの株価暴落時にはIB01やCBU7をリバランスに使い、20%を超える暴落時にはITBMも使っていきます。
※この記事は個人的な分析であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
それではまた。
2026年3月10日
熊木雄介(司法書士)

