こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。
今年の6月、マレーシアの電子請求書制度について記事を書きましたが、今回はその続報です。
これまでは売上が非常に大きい企業のみが対象でしたが、2026年1月1日からはいよいよ多くの企業が対象となります。
ひとまず朗報からお伝えしますと、半年前にお伝えした際は電子請求書制度が免除される年間売上高として50万リンギが基準でしたが、その後の改正により、年間売上高が100万リンギット(RM)以下の企業は義務化対象から外れ、免除されることになりました。
その一方で、年間売上高が100万リンギットを超えるすべての企業にとって、義務化開始日は2026年1月1日のまま変更なく、残された準備期間は1ヶ月を切っています。対象企業は下記をご参照のうえ、準備をお進めください。
📝 要点:最新の制度変更と必要なアクション
- 義務化対象の明確化と免除範囲の拡大: 年間売上高が100万リンギット(RM)を超える企業のみが義務化対象となり、100万リンギット以下の企業は免除され、以前よりも免除範囲が拡大しました。
- 最終期限の確認: 年間売上高100万リンギット超500万リンギットまでの企業への義務化開始日は、予定通り2026年1月1日です。
- 必要なアクション: 電子請求書を発行する体制が整っていない企業は、直ちに会計事務所や利用されている会計ソフトの企業と連携し、電子請求書発行のプロセスが2026年1月1日から稼働可能であるか、最終確認と準備を完了させる必要があります。
詳細なご説明
1. E-Invoice義務化スケジュール(最新版):免除対象の拡大
最新のガイドラインに基づきますと、E-Invoiceの義務化スケジュールは以下の通りです。
| 年間売上高 (RM) | 義務化開始日 | 備考 |
| 2,500万超 | 2024年8月1日 | 大規模企業は既に導入済み |
| 500万超2,500万まで | 2025年7月1日 | |
| 100万超500万まで | 2026年1月1日 | 今回の対象。義務化まで1ヶ月を切る |
| 100万未満 | 義務化対象外(免除) | 免除範囲が拡大。任意での導入は可能 |
この変更により、以前のスケジュールで言及されていた「年間売上高50万リンギ超100万リンギまで」の区分は削除され、年間売上高100万リンギット以下の多くの小規模事業者が、当面の間、義務化の対象外となりました。
2. 年間売上高100万リンギ超の企業が直面する現状とリスク
現在、2025年12月11日であり、義務化開始日(2026年1月1日)まで残すところ3週間足らずです。
E-Invoiceの運用開始は、単にインボイスのフォーマットを変更するだけでなく、IRBへのデータ送信、IRBによる検証(バリデーション)、検証後のインボイスの顧客への送付という、業務フロー全体の大きな変更を伴います。
2026年1月1日にまでに電子請求書の発行体制が整っていない場合、以下のリスクがありますので、早急に準備をお進めください。
- 取引の遅延: 2026年1月1日以降に発行するインボイスがIRBの検証を受けられず、有効なE-Invoiceとして認められない場合、取引が停滞する可能性があります。
- 罰則の可能性: 義務化の対象企業がE-Invoiceの規定を遵守しない場合、マレーシア所得税法に基づき、罰則が科される可能性があります。
3. 2026年1月1日までに完了させるべきアクション
- 電子請求書を発行するシステムの決定: マレーシア税務署のポータルサイト経由で電子請求書を発行するか、もしくは、税務署システムに連動しているマレーシアの会計ソフトを導入するかの決定。ご参考として、弊社自身はAutoCountのクラウド版を使ってすでに電子請求書の発行を開始しております(以前は、請求書を発行するためにWaveというオンライン会計ソフトを利用していましたが、Waveはマレーシアの会計ソフトではないため電子請求書には対応しておりませんので、会計ソフトを変更しました)。
- 税務署への登録: 電子請求書を発行するためには、事前に税務署への登録が必要です。依頼されている会計事務所にご相談ください。
情報源(一次情報)
- Lembaga Hasil Dalam Negeri Malaysia (IRB/LHDN): E-Invoice Guideline
- URL:https://www.hasil.gov.my/en/e-invoice/
- ガイドラインPDF: https://www.hasil.gov.my/media/fzagbaj2/irbm-e-invoice-guideline.pdf
- 注記:本記事のスケジュール変更は、最新版のガイドラインおよびその後の税務当局による公表内容に基づいております。
それではまた。
2025年12月11日
熊木 雄介


