マレーシアの契約書と印紙税 Stamp Duty

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日本と同じく、マレーシアにおいても契約書を作成する場合/した場合は、原則として印紙税 Stamp Duty の支払いが必要になります。

どのような契約書に印紙税が課せられるか、その税率、そして課税対象となる課税価額等はStamp Act 1949 に規定されています。

なお、印紙税は、「契約」に対して課せられるものではなく、「契約書」に対して課せられるものですので、口頭で契約を交わした場合は課税されません。

また、契約書がマレーシア国外で締結された場合には、マレーシア国内に持ち込まれるまでの間は印紙税の納税義務はありません(銀行などは一部の優良顧客等に対する短期返済のローンに関しては、印紙税を節約するためにこのスキームを利用することもあるようです)。

 

それでは、契約書を作成したにもかかわらず印紙税を納付しなかった場合、その契約の法的効力にどのような影響があるでしょうか?

結論としましては、当該契約自体は有効であるものの(契約はそもそも口頭でも有効ですので)、印紙税が納付されていない契約書は裁判所が証拠として採用してくれなかったり、各当局での手続きにおいて受理されないという不利益を被ることになります。また、適正な時期に遅れて印紙税の納付をする場合には、ペナルティが課せられることになります。

不動産売買の場面や株式売買の場面では、弁護士等の専門家が契約行為に関与しますので印紙税の納付が漏れる可能性は低いかと思いますが、その他の場面で専門家の関与なしに契約書を作成される場合、相手方の署名をもらったから安心されるのではなく、印紙税の納付にも注意してください。

なお、前回の記事で言及しましたとおり、ラブアン法人の場合、ラブアン法人の株式譲渡や当法人のビジネスに関連して作成される契約書類には基本的には当印紙税は課税されません。

それではまた。

2015年9月22日

司法書士 熊木 雄介
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