ラブアン財団(Labuan Foundation)に関するアップデートと使いみち(個人資産からの切り離し)。

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Publika のアイリッシュパブにて。

こんにちは。

司法書士の熊木です。

 

今日はラブアン財団について。

 

弊社自身でも、ラブアン財団(Labuan Foundation)を設立することとなりました。

 

ラブアン財団とは

信託と会社の良いとこ取りをしたような制度です。

個人の資産を財団に寄付し、

そして、その寄付した資産は個人資産からは切り離され(出資した財産の対価として株式が割り当てられる株式会社との違い)、

かつ、

財団の創設者は、まるで株主であるかのように、財団の運営をコントロールすることができます。

また、自身が財団の理事や役員となり、日々の運営に当たることも可能です(普通はそのようにします)。

 

信託(Trust)と異なり、

財団自身が法人格をもち、

財団自身の名義で資産を管理します。

受託者(いわば他人)名義で資産が管理される信託とは異なり、安心感があります。

 

私が感じる財団のデメリットとしては

信託に比べると歴史が浅く、まだ判例などがそれほど多く蓄積されていないという点がありますが、

一般的な使い方をするのであれば、この点はほぼ問題にならないかと思います。

 

 

自社の財団を設立するにあたり、

再度、ラブアン中の多くのラブアン信託会社にあたり、

今までに感じていた疑問点などについて徹底的に協議してきました。

 

私が抱いていた一番の疑問点は

Council を設置する必要があるかどうか、という点です。

 

多くのラブアン信託会社は、Council Member の設置を、まるで必須事項であるかのように説明したのですが

ラブアン財団法を読めば、Council member は必須事項とはされていません。

Founder、Officer、Company Secretary、Beneficiary のみというスリムな財団も、法律上は認められているのです。

しかしながら、

この点、

多くの信託会社が、実務上、実際の運営上、

Council Member は必須である、という説明をしているように感じておりました。

ただ、それらの説明は、十分に納得できるものではありませんので、

今回の自社財団設立の機会に、再度、多くの信託会社との協議を行い、

なぜ彼らがCouncil Member を必須機関であるかのように説明しているのかを理解してきました。

 

そのうえで、結論としては、

ご自身の家族のための財団であれば、Council Member なしでもOKではないか

という結論に至り、

Founder 自身が、Officer(これは必須機関)となり、Beneficiary にもご自身がなり、

Company Secretaryのみをラブアン信託会社に依頼する、

というスリム構成でも、実務上も困る場面はほぼない、という結論に到達しました。

 

ただ、とはいえ、

Officer の他にCouncil Member を設置することが一般的な実務慣習となっている事実はありますので、

実際に動き出すと色々と実務上の不具合が発生する可能性はあります。

 

したがいまして、

ひとまずは、弊社自身のラブアン財団をこのスリム構成で設立し、

皆様へご提案する前に、まずは自社ラブアン財団で色々と実験してみようと思っております。

実験の結果は、弊社クライアント様にまたシェアさせていただきます。

 

このスキームが実用的であれば、

法人維持費に関しては、普通のラブアン法人よりも安い金額で提供できるかと思います。

 

維持費さえ安くなれば、

事業用のラブアン法人やマレーシア法人や海外法人の株式をラブアン財団に寄付し、

それらの法人の事業を個人の資産から切り離す、

というような使い方が考えられます。

( 上述のとおり、通常の株式会社の場合、

株式会社に出資した資産は、株式という対価で株主に戻ってきます。

対して、財団の場合、

財団に寄付した資産(ラブアン法人の株式など)に対して、創設者に対して株式のような対価はありませんので、

寄付した資産は個人資産から切り離されることとなります。

しかも、株主のように、財団の運営はコントロールすることが可能です)。

 

ラブアン財団については、今までにも何度か記事を書いておりますので

下記リンクからぜひ御覧ください

そちらをご覧いただければ、ラブアン財団の使い方に関するイラストもありますのでイメージを得やすいかと思います。

 

それではまた。

2017年4月27日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

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