【マレーシア在住者向け】これ一本で世界分散!高配当ETF「VHYD」の魅力と注意点

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こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

マレーシアに移住された方や、これから移住を考えている方の中には、マレーシアでの資産運用や、日本以外での投資先の分散に関心をお持ちの方も多いかと思います。

今回は、私も投資しているETF(上場投資信託)の一つ、VHYDをご紹介いたします。これは、全世界の高配当株式に分散投資ができるETFで、特にマレーシアから投資を検討する際に、いくつか興味深い特徴を持っています。

まず初めにご注意事項ですが、私は投資や金融の専門家ではありませんし、この記事はこのETFへの投資を推奨するものではありません。 あくまでもこのようなETFがありますよという情報提供を目的としており、VHYDというETFの概要や特徴について、私の個人的な視点も交えながらご紹介するものです。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において、十分なリサーチと検討の上で行ってください 。

VHYDとは?~全世界の高配当株に投資するETF~

今回ご紹介するVHYDは、正式名称を「Vanguard FTSE All-World High Dividend Yield UCITS ETF USD Distributing」といいます 。  

  • ティッカーシンボル: VHYD(米ドル建て・分配型)
  • 上場取引所: ロンドン証券取引所(LSE)など

このETFは、その名の通り、世界中の配当利回りが平均より高い傾向にある株式に投資することを目指しています。具体的には、「FTSE All-World High Dividend Yield Index」という指数に連動するパフォーマンスを目標としており、この指数は先進国および新興国の大型株・中型株から、不動産投資信託(REIT)を除いた、配当利回りが相対的に高い銘柄で構成されています 。

VHYDの主な特徴

VHYDには、特に海外在住の日本人投資家にとって注目すべき特徴がいくつかあります。

  1. UCITS ETFであること: VHYDはアイルランド籍のUCITS(ユーシッツ)準拠のETFです。UCITSは欧州連合(EU)の投資信託基準で、投資家保護の観点から厳格なルールが設けられています。 米国籍のETF(例えば後述するVYMやVTなど)の場合、米国外居住者にとっては米国の遺産税の問題や配当金への源泉徴収税などが考慮事項となります。特に、マレーシアと米国の間には包括的な租税条約がないため、米国籍ETFからマレーシア居住者が受け取る配当金に対しては、原則として米国内で30%の源泉徴収税が課されます 。 一方、VHYDのようなアイルランド籍のUCITS ETFの場合、米国・アイルランド間の租税条約により、ETFが保有する米国株式から受け取る配当金に対する米国の源泉徴収税率は15%に軽減されます。
    さらに、アイルランドは通常、アイルランド籍のETFから非居住者(マレーシア居住者を含む)への分配金に対して源泉徴収を行いません。したがって、マレーシア居住者にとっては、米国籍ETFに直接投資する場合と比較して、配当金にかかる源泉徴収税の負担が軽減される可能性があります。 もちろん、個別の税務に関しては専門家への相談をお勧めしますが、このUCITSという仕組みとアイルランドの税制・租税条約ネットワークが、米国外居住者にとって管理面や税務面でのメリットをもたらす可能性がある点は、VHYDの大きな特徴と言えるでしょう。 

  2. 投資対象と運用方法: 先述の通り、先進国・新興国の高配当株に投資します。運用方法は、インデックスを完全に再現するのではなく、指数の構成銘柄の中から代表的な銘柄を選んで組み入れる「最適化サンプリング」という手法を用いています。

  3. 基本通貨と分配金: ETFの基本通貨は米ドル(USD)で、分配金も米ドルで支払われます 。分配は年4回(四半期ごと)行われます 。直近のデータでは、投資対象株式ベースでの配当利回り(Equity yield (dividend))は約3.5%〜3.6%と報告されていますが 、これはETF自体の分配金利回りとは異なり、市場環境によって変動する点にご注意ください。

  4. 経費率: ETFを保有する際にはコストがかかります。VHYDの経費率は、OCF(Ongoing Charges Figure: 継続費用指数)ベースで年率0.29%です 。これは、ファンドの管理、監査、保管、法務、登録など、運営にかかる年間コストの割合を示しています。  

VHYDの魅力:なぜ注目するのか?

私がVHYDに個人的に注目している理由は、主に以下の点にあります。

1. これ一本で「全世界」の高配当株に分散投資

最大の魅力は、このETF一つで先進国から新興国まで、世界中の高配当株に幅広く分散投資できる点です 。後で比較しますが、例えば米国の高配当株ETF(VYMやSCHDなど)は米国市場のみ、日本の高配当株ETF(1489など)は日本市場のみが対象です。VHYDであれば、地域を限定せず、グローバルな視点で高配当戦略をとることが可能です。  

2. 米国比率が低めで、より「地理的」な分散効果が高い

全世界株式ETFとして非常に人気のある「VT(Vanguard Total World Stock ETF)」と比較すると、VHYDは米国への投資比率が相対的に低いという特徴があります。

VTは全世界の株式市場の時価総額加重平均に基づいて構成されているため、現在の市場ではGAFAM(あるいはマグニフィセント・セブン)に代表される米国の巨大ハイテク企業の比重が大きく、結果としてポートフォリオの約6割が米国株となっています 。

一方、VHYDの国別構成比を見ると、米国は約42〜43%程度に抑えられています。

表1: VHYDの国別構成比率(上位例)

比率(%)
アメリカ合衆国42.8
日本8.8
イギリス7.3
スイス4.5
カナダ3.5
中国3.5
フランス3.4
ドイツ3.2
オーストラリア3.1
台湾2.0

出典: Vanguard Factsheet (Data as at 31 March 2025) 構成比率は変動する可能性があります。

VTのように市場全体を反映するETFも魅力的ですが、特定の国(特に米国)への集中度合いを少し抑えたいと考える場合、VHYDのような構成はより地理的な分散が効いていると言えます。これは、米国市場が他の市場に対して相対的に不調な時期などに、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる効果が期待できるかもしれません。単一国への過度な集中リスクを避けたい場合に、検討の余地がある構成かと思います。

3. 結果として「通貨」の分散も実現

多くの国の株式に投資するということは、必然的に投資先の企業が利益を上げる通貨も多様化します(米ドル、日本円、ユーロ、英ポンド、スイスフランなど)。ETF自体の基準価額や分配金は米ドル建てですが 、その原資となる企業活動は世界中の様々な通貨で行われています。  

マレーシアリンギットや日本円を基軸通貨とする投資家にとって、投資対象の通貨が分散されていることは、為替変動リスクを完全に無くすものではありませんが、特定の一通貨(例えば米ドルのみ)に投資する場合と比較して、為替リスクをある程度分散させる効果が期待できます。この点は、特に国際的な分散投資を考える上で心地よい要素だと感じています。

4. 「高配当」への着目

文字通り、平均よりも高い配当利回りを提供する企業群に焦点を当てている点も特徴です 。定期的なインカム(分配金)を重視する投資家にとっては、ポートフォリオの一部として検討する価値があるかもしれません。ただし、後述するリスクも踏まえ、ご自身の投資目標やリスク許容度に合っているかを慎重に判断することが重要です。

他の人気ETFと比較

VHYDの特徴をより深く理解するために、皆さまがよく耳にするかもしれない他の人気ETFと比較してみましょう。

表2: 主なETFとの比較概要

ETF ティッカー正式名称(一部略称)主な投資地域投資戦略/指数経費率 (年率)籍・構造配当利回り (参考)配当源泉税 (対マレーシア居住者)
VHYDVanguard FTSE All-World High Dividend Yield UCITS ETF Dist全世界高配当 (FTSE All-World High Dividend Yield Index)0.29%UCITS (アイルランド)3~4%15% (米株配当分) / 0% (アイルランドからの分配)
VTVanguard Total World Stock ETF全世界時価総額加重 (FTSE Global All Cap Index)0.06%米国籍1.5~2%前後30%
VYMVanguard High Dividend Yield ETF米国高配当 (FTSE High Dividend Yield Index)0.06%米国籍3%前後30%
SCHDSchwab U.S. Dividend Equity ETF米国高配当・質 (Dow Jones U.S. Dividend 100 Index)0.06%米国籍3.5~4%台半ば30%
JEPIJPMorgan Equity Premium Income ETF米国アクティブ・カバードコール (S&P 500ベース)0.35%米国籍7-9% (変動大)30%
JEPQJPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF米国 (Nasdaq)アクティブ・カバードコール (Nasdaq-100ベース)0.35%米国籍9-11% (変動大)30%
1489NEXT FUNDS Nikkei 225 High Dividend Yield 50 ETF日本高配当 (Nikkei 225 High Dividend Yield Stock 50 Index)0.308%日本籍4%前後15%

出典: 各ETF発行体のウェブサイト・Factsheet等 (2025年初頭時点の情報)。経費率・利回りは変動します。JEPI/JEPQの利回りはオプションプレミアムを含むため高めですが、特性が異なります。配当源泉税率は一般的なケースであり、個別の状況や将来の税制変更により異なる可能性があります。

  • VHYD vs 米国高配当 (VYM, SCHD): 最大の違いは投資地域と税務上の扱いです。VYMとSCHDは米国企業のみですが、VHYDは全世界です 。VYMはFTSEの米国高配当指数、SCHDは配当の質や成長性も考慮したダウ・ジョーンズの指数に連動します 。経費率はVYM/SCHD(0.06%)の方がVHYD(0.29%)よりかなり低コストです 。税務面では、マレーシア居住者の場合、VYM/SCHDからの配当には30%の米国源泉税がかかるのに対し、VHYDはアイルランド籍UCITSのため、内部で米国株配当にかかる税率が15%に軽減され、アイルランドからの分配には通常源泉税がかかりません。仮に1000万円をこれらのETFで運用する場合、毎年ファンドから控除される信託報酬はVHYDの場合は29,000円でVYM/SCHDの場合は6,000円というイメージです。一方、毎年の分配金が40万円だとした場合、その分配金に対する源泉税はVHYDは6万円ですがVYM/SCHDの場合は12万円になります。年間の信託報酬はVYM/SCHDが23,000円安いですが、配当に対する源泉税がVHYDの方が6万円も安いので、VHYDの方がトータルでは安くなるのではないかと思います。

  •  VHYD vs 全世界株式 (VT): どちらも全世界に投資しますが、VHYDは高配当株に特化し、VTは市場全体の時価総額加重です 。そのため、VTは成長株(特に米国の巨大IT企業)の比率が高く、VHYDは配当利回りが高めのバリュー株寄りの構成になる傾向があります。国別分散ではVHYDの方が米国比率が低く、より均等に近い形です 。経費率はVT(0.06%)の方がVHYD(0.29%)より大幅に安いです 。VTも米国籍ETFであり、配当には30%の米国源泉税がかかります。

  • VHYD vs 米国カバードコール (JEPI, JEPQ): これらは戦略が根本的に異なります。VHYDは高配当株を保有するパッシブ運用ですが、JEPI/JEPQは株式を保有しつつ、その株式に関連するコールオプションを売る(カバードコール)というアクティブ戦略で高い分配金利回りを目指します 。JEPIはS&P 500、JEPQはNasdaq 100の構成銘柄を中心に運用されます 。オプションプレミアムから高い分配金が得られる可能性がある一方、株価上昇時の利益が限定される(キャップされる)という特性があります(また、この戦略特有の暴落時のリスクもあるようです)。経費率はJEPI/JEPQ(0.35%)の方がVHYD(0.29%)よりやや高めです 。これらも米国籍ETFであり、分配金(配当相当分)には30%の米国源泉税がかかります。ちなみに、JEPIやJEPQに関しては、同様の戦略のETFがアイルランド籍でロンドン証券取引所に上場しているものがあります。

  • VHYD vs 日本高配当 (1489): 投資地域が全世界か日本国内かの違いが明確です 。1489は日経平均構成銘柄の中から配当利回りの高い50銘柄で構成される指数に連動します 。経費率はVHYD(0.29%)と1489(0.308%)でほぼ同水準です 。1489は日本の投資信託ですので日本の税制に基づき、日本非居住者への配当に対して15%の源泉徴収が適用されます。なお、日本居住者への配当の場合に20%が源泉徴収されているかと思いますが、この20%の内訳は15%が国税、5%が住民税となっていますので、日本非居住者への配当の場合は国税である15%部分のみが控除され、住民税5%部分の控除はありません。

コストと分散、税効率のトレードオフについて

VHYDの経費率(0.29%)は、米国の代表的な高配当ETF(VYM/SCHD: 0.06%)や全世界株式ETF(VT: 0.06%)と比較すると、見劣りするかもしれません 。これは、複数の国の市場にまたがって投資・管理を行うためのコストが一般的に高くなるためと考えられます。しかし、VHYDはVYM/SCHD/1489にはない「全世界への分散」、VTとは異なる「高配当への特化」と「米国比率の低さ」、そしてマレーシア居住者にとって重要な「配当源泉税の軽減効果」と「UCITS構造」を提供しています 。アクティブ運用のJEPI/JEPQ(0.35%)よりは低コストです 。つまり、VHYDを選択する場合、より広範な地理的分散と高配当戦略、そして税効率の向上のために、一定の追加コストを許容するかどうか、というトレードオフを考慮することになります。

知っておきたいVHYDのパフォーマンスとリスク

投資を検討する上で、過去のパフォーマンスと潜在的なリスクを理解しておくことは非常に重要です。

過去のパフォーマンス

VHYDの過去のパフォーマンス(米ドル建て、費用控除後、分配金再投資ベース)は以下の通りです。

  • 1年リターン: 9.72%
  • 3年リターン(年率): 6.78%
  • 5年リターン(年率): 14.30%
  • 10年リターン(年率): 6.67%
  • 設定来リターン(年率、2013年5月21日設定): 6.35%

出典: Vanguard Factsheet (Data as at 31 March 2025) パフォーマンスデータは過去のものであり、将来の成果を示唆または保証するものではありません。

繰り返しになりますが、過去のパフォーマンスは将来の成果を保証するものではないことに十分ご留意ください 。市場環境の変化により、将来のリターンは大きく異なる可能性があります。

VHYDの潜在的リスク

一般的な株式投資のリスクに加え、VHYD特有のリスクも存在します。

  • 市場リスク: 株式市場全体の変動により、ETFの価格が下落するリスクです。経済状況、政治情勢、企業業績などが影響します。
  • 為替リスク: VHYDは米ドル建てですが、投資対象は世界各国の企業であるため、投資先の通貨と米ドル、さらに投資家の居住国通貨(マレーシアリンギットや日本円など)との間の為替レート変動が、リターンに影響を与えるリスクがあります 。
  • 国際投資リスク: 海外市場への投資には、その国の政治・経済の不安定性、規制の変更、流動性の低さといった特有のリスクが伴います。
  • 高配当株戦略のリスク:
    • 成長性の限界: 高配当企業は成熟産業に属することが多く、成長性の高い企業(いわゆるグロース株)と比較して株価の上昇が緩やかになる可能性があります。この点、同じ全世界に投資をするVTと比べてキャピタルゲインの期待値は下がります。
    • 「配当の罠(Dividend Trap)」: 非常に高い配当利回りは、株価の下落によって生じている場合があり、それは企業の財務状況の悪化を示唆している可能性もあります。配当は保証されたものではなく、業績悪化により減配や無配となる企業が含まれている可能性があります。とはいえ、2,000社以上の企業に分散して投資をしているのでこのETFからの分配金がゼロになるリスクは限りなく低いです。
    • セクター集中リスク: 高配当戦略は、特定のセクターに投資が偏る傾向があります。VHYDの場合、金融セクターへの投資比率が約28-29%と高めです 。このセクターが市場全体に対して不調な場合、ETFのパフォーマンスにマイナスの影響を与える可能性があります。
  • インデックス・トラッキング・リスク: ETFは対象指数のパフォーマンスに連動することを目指しますが、経費、サンプリングによる構成銘柄の差異、売買コストなどにより、指数と完全に一致するパフォーマンスが得られないリスクがあります 。
  • カウンターパーティリスク: 資産の保管機関やデリバティブ取引の相手方などが破綻した場合、損失を被るリスクがあります。

パフォーマンスの捉え方と配当の罠について

高配当ETFはインカム(分配金)を重視する戦略ですが、投資の成果は株価の値上がり益と分配金を合わせた「トータルリターン」で評価することが重要です。特に、テクノロジー株などが市場を牽引するような強い上昇相場では、高配当株中心のポートフォリオは市場平均(例えばVTなど)に対してアンダーパフォームする可能性があります。また、「配当の罠」のリスクも念頭に置く必要があります。指数構成のルール(VHYDの場合はFTSE All-World High Dividend Yield Indexのルール)によって、ある程度スクリーニングはされていますが、高配当利回りという点にのみ注目するのではなく、その配当が持続可能か、企業のファンダメンタルズは健全か、といった視点も持つことが望ましいでしょう。

マレーシア在住者がVHYDに投資する方法

さて、マレーシアにお住まいの方がこのVHYDに投資するには、どうすればよいでしょうか。

1. 証券会社の選定

VHYDはロンドン証券取引所(LSE)などに上場しています。VHYDが上場している証券取引所の株式を取り扱っている証券会社で口座を開設する必要があります 。

2. Moomoo証券マレーシアの状況

マレーシアで利用者が増えている証券会社としてはMoomoo証券マレーシアなどがありますが、私が把握している限り、現時点(記事執筆時点:2025年4月)では、ロンドン証券取引所(LSE)上場のETF(VHYDを含む)の取り扱いは行っていないようです

3. Interactive Brokers(IBKR)証券という選択肢

代替案として、マレーシア在住者も利用可能な国際的な証券会社の一つにInteractive Brokers(IBKR)証券があります。IBKR証券では、LSEを含む世界中の多くの取引所の金融商品を取り扱っており、VHYD(ティッカー: VHYD、取引所: LSE)への投資も可能です。

4. 投資のプロセス(概要)

IBKR証券などを利用する場合、大まかな流れは以下のようになります。

  1. IBKR証券で証券口座を開設する。
  2. 口座に資金を入金する(銀行送金とWiseで入金可能です)
  3. IBKRの取引プラットフォームで、LSE市場を選択し、ティッカーシンボル「VHYD」を検索する。
  4. 買い注文を出す(株数や価格を指定)。

口座開設や入出金、取引方法の詳細は、IBKR証券のウェブサイト等でご確認ください。

5. 税金に関する注意点

マレーシア居住者(個人)の場合、現在(2025年4月時点)のマレーシアの税制では、マレーシア国外源泉所得は非課税となっていますので、VHYDからの配当金やキャピタルゲイン(売却益)に対してはマレーシアでは課税されないと私は理解しています。ただ、税務上の取り扱いなどについては、必要に応じて、マレーシアまたは日本の税務専門家にご相談されることをお勧めします。

まとめ

今回は、全世界の高配当株式に分散投資ができるUCITS ETF「VHYD」について、その概要、特徴、他のETFとの比較、リスク、そしてマレーシアからの投資方法についてご紹介しました。

VHYDのポイント:

  • 全世界(先進国+新興国)の高配当株にこれ一本で投資可能。
  • UCITS ETF(アイルランド籍)であり、マレーシア居住者にとって米国籍ETFと比較して配当源泉税の面で有利な可能性(米国株配当分15% vs 30%)。米国の遺産税リスクも回避できる。
  • 全世界株式ETFのVTと比較して米国比率が低く、地理的分散がより効いている。
  • 結果として通貨分散の効果も期待できる。
  • 分配金は年4回。経費率は年率0.29%

VYMやSCHD(米国高配当)、VT(全世界時価総額加重)、1489(日本高配当)、JEPI/JEPQ(米国カバードコール)など、他のETFとは異なる特徴を持っています。ご自身の投資戦略やリスク許容度、目標に合わせて、ポートフォリオを検討する際の選択肢の一つとして、今回の情報が参考になれば幸いです。

繰り返しになりますが、この記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資を推奨するものではありません。投資の最終判断は、ご自身の責任において、十分な情報収集と比較検討の上で行ってください。

2025年5月1日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

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