近況
こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。
新規のお問い合わせが非常に多く、慌ただしい日々を過ごしております。
単に忙しいだけならいいのですが
本当にマレーシアというのは色々なトラブルが起こる国でして、最近も、
- ビザステッカーを発行する移民局のシステムが故障。1ヶ月以上直らず、クライアントがビザを受け取れない。
- 移民局の人事異動で担当部署のトップ及び主要メンバーに変更があった後、新しいボスが1ヶ月以上現場にあらわれず。ボスが来るまで案件はペンディング。
- 担当銀行員が一切引き継ぎをせずにハネムーンへ。彼が帰ってくるまで口座開設は保留。
などなど。
新規案件や既存クライアント様のサポートで立て込んでいる中に
予期せぬトラブルが頻発しますので忙しさ倍増です。
相変わらず弊社ではラブアン法人を利用した就労ビザ関連のご依頼が多いですが
色々とトラブルはあるものの、
ラブアン法人の新規設立やビザ申請はマレーシア法人ほど工程が複雑ではありませんので
平均すれば、
ラブアン法人の就労ビザは、第一ステップである法人設立に着手から、第二ステップのラブアン当局からの就労ビザ認可を得るまで4ヶ月前後という感じです。
色々とスムーズに進むケースでは3ヶ月から3ヶ月半ということもあります。
ただ、認可を得た後、マレーシアへ入国するための手続き、ラブアンでのビザステッカー受け取りの手続きで上記のようなトラブルが発生しています。
他方で、マレーシア法人での就労ビザ申請の方は
そもそも新規設立の法人が就労ビザ申請へと到達するまでに工程がいくつもあり、
その各工程ごとに予期せぬトラブルが発生しますので時間を読むことは非常に難しいものとなっています。
ついでにお話しますと
法人口座開設は、クアラルンプールで銀行員と面談をしていただいた後、平均的には、ラブアン法人の場合は約1ヶ月前後、マレーシア法人の場合は約2~3週間前後で口座番号が付与され、その後1~2週間でオンラインバンキングのIDが付与されるという感じです。
日本株投資と配当への源泉税
なかなか大変な日々ではありますが、
仕事が終わった後に、保有している株式等の増減や配当をチェックするのが一日の楽しみになっております。
以前から海外株式やマレーシア株への投資は行っていたのですが、
今年になってマレーシア居住者になってから初めて日本のETFや個別株を買ってみましたところ、
先日初めて日本株からの配当がありました。
以前のブログ記事でも書きました通り、
マレーシア居住者がアメリカで上場しているETFや株式から配当を受けた場合、源泉税が30%にもなってしまうのですが、
アイルランド籍のETFを買うことにより配当に対する源泉税を15%に抑えることができていました。
つまり、住んでいる国と投資先の源泉税率や両国間の租税条約などによって源泉税がかわってきますので、
この点、日本株の配当に対する源泉税がどうなるのか楽しみにしていたのですが、
今回初めて日本株からの配当を受けたことによりようやく答え合わせができまして、
日本在住時に日本株の配当を受け取っていたころは、
国税約15%、住民税5%で合計約20%が源泉税として控除されていたのに対して、
日本の非居住者でありマレーシア居住者である今の状況の場合、
国税部分の15%のみが控除されて振り込まれておりました。
配当額が年間100万円だとすれば5万円浮きますので少しお得感ありです。
このように
ラブアンの税制はややこしくなってしまったので節税に使うにはハードルがあがってしまいましたが、
個人所得税レベルではまだわりとシンプルにマレーシア移住によるメリットがあると感じます。
今後どの程度日本株の比率を増やしていくかはまだ検討中ですが
これまで円建ての資産については銀行預金のみにしておりましたので、
今後のインフレ時代に備えて円預金を徐々に株式等の現物資産に替えつつ、
8月初旬のような大きな下げがあったときに少しまとまった金額を移す、という方針でやっていこうと考えています。
私と同じようにマレーシアに在住の方で日本株への投資や資産分散に興味を持たれている方もいらっると思いますので少し補足しますと、
日本非居住者は日本の証券会社の口座では売り買いできませんので、
海外の証券会社のうち日本株を取り扱っている証券会社で口座を開いて日本株売買をする必要があります。
私の調査では、(すべてを調べたわけではないので漏れがあるかもしれませんが)マレーシア国内の証券会社、つまり、各銀行が併設している証券会社やMoomo証券マレーシアでは日本株への投資は不可でしたので、
私の場合はInteractive Brokers証券(いわゆるIB証券)を使うこととなりました。
IB証券は日本株だけでなく、米国株、ヨーロッパの株式等にも投資することができて手数料も安いので今のところ気にっていますが、
注意点としては、マレーシア居住者がIB証券で口座を開いた場合、IB証券の日本支社ではなく、アメリカ本社のIB証券に口座を開設することになりますので、投資資金を投入する際は日本からアメリカへの送金扱いになり、少し手間やコストがかかります。
幸いWise経由でのデポジットに対応していますので、
銀行送金ではなくWiseを使うことで送金手数料は安く済ませることができますが、
マレーシア居住者はなぜか日本円での入金ができないような仕様になっており
私の場合はWISE口座にある日本円をいったんドルに替えた後、IB証券で再度日本円建てで日本株を買う
ということになってしまっています。
日本にいながら日本株に投資をする場合に比べると、
この両替のコストがかかっていますので効率は悪いですが、
日本円建ての資産を現金以外にも分散しておきだいですので
これはしょうがないと割り切っています。
それではまた。
2024年8月25日
司法書士 熊木 雄介
Email: kumaki@jm-experts.net
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