ラブアン法人/財団の銀行口座開設をする際の注意点。

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こんにちは。

KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

 

海外での法人口座開設は年々難しくなっています、、、

日本でも最近は法人口座の開設がかなり厳しくなってきているようですが、

海外では日本以上に法人口座の開設のハードルは高くなってきておりまして、

おそらく、皆様が想像されているよりも5倍は大変です。

 

難しくなっている背景としては

マネー・ロンダリング防止のためというものが主な理由です。

 

法人口座の場合、

取締役・株主として多くの人が関与し、

ビジネス名目で多くの資金の出入りがあり、

そして、口座名が法人名という、その裏に誰がいるのか一見わかりにくいものとなりますので、

マネー・ロンダリングに利用されやすく、銀行としても警戒度が高いためです。

 

海外で個人口座を開設した経験のある方は、

そのときにわりとスムーズに個人口座が開設できたので

海外での法人口座もスムーズに進むだろうと期待されている方が多いのですが

残念ながら、個人口座と法人口座の開設はまったく別ものです。

銀行員との面談でご注意いただくこと

銀行口座開設申請をする際には、銀行員と面談があり、

御社のビジネスの内容や、取締役・株主のバックグラウンドを質問されますので、

その際に、御社のビジネスはきちんと実体があるものであり、

たんに資金を右から左に移すだけのための会社ではなく、

そして、この会社を運営しているのは取締役・株主として登記上名前を連ねているメンバーであって、その裏に実質的な会社所有者は存在しない

というようなことをきちんと説明し、銀行員に納得して貰う必要があります。

 

この銀行員との面談の際には

私も同席して、横からサポートはさせていただいておりますが、

やはり、たとえ英語が苦手でも、ご自身が銀行員に対して説明する姿勢を見せていただき、

実際にこの法人のビジネスをご自身が理解して運営しているということが伝わるようにしていただくことは必要です。

英語が苦手で伝わりにくくても、

御社の日本の法人のウェブサイトを提示したり、

図を書いて説明を見せる姿勢を見せるだけでも随分と印象は良くなります。

 

コンサル業の場合の注意事項

時々あるケースとしまして、

「御社のビジネスはどのような事業をされるのですか?」

とお聞きすると、

「経営のコンサル業です」というざっくりとした返答を頂戴することがありますが、

「コンサル料」名目で、法人から法人へ資金を移していくというのが、マネー・ロンダリングとして非常に多く利用されてきたかたちですので、

単に「経営のコンサル業です」というだけでなく、

どのような分野、たとえばマーケティングのコンサル、財務のコンサル、組織マネジメントのコンサルなど

具体的にどのようなコンサルを提供されるのか、

そして、どのようなクライアントがいるのかというようなことを銀行員にきちんと伝えることができるように準備していただく必要があります。

 

FX取引、仮想通貨取引は注意ワード

FX取引や仮想通貨取引を行う法人の口座開設についても、

多くの銀行は開設に消極的になっており、私の現場での感触からしますと、

口座開設のための面談の際に「FX取引をします」というようなことを言ってしまうと

口座開設が認可されない可能性も高いと感じます。

 

あるいは、

口座開設を認可してくれるとしても、

FX取引の口座との間での入出金にこの銀行口座を利用しないというにしてほしいというようなことを言われたこともあります。

不特定多数からの入金

不特定多数から資金が入ってくるということも銀行としては非常に嫌がります。

その入金が、御社がBtoCのビジネスをしている場合の商品の対価であれば問題はありませんが、

たんにお金を預かるというようなかたちであれば、それは銀行からすればマネー・ロンダリングに巻き込まれる可能性がありますし、

そもそも、ファンド・ライセンスを保有していない会社が不特定多数から資金を募るということは違法であるケースも多いですので、

そういう意味でも、

このような取引がある法人の口座は、そもそも開設を認めてくれませんし、

すでに開設された口座が、不特定多数から資金を預かりはじめた場合、口座を凍結される可能性もあります。

 

なお、この「不特定多数からの入金」に対する銀行の警戒は、

皆様が予想されているよりも高いものでして、

たとえば、ラブアン金融庁からファンドライセンスをとった法人の場合でも、銀行側の自主規制により、そのファンド用の口座を開設してくれない

ということがあるくらいです。

 

ラブアン財団の銀行口座開設はさらに審査が厳しいです。

上記のとおり、一般的なラブアン法人であっても、銀行口座の開設の審査は厳しいのですが、

ラブアン財団の場合、さらに難易度があがります。

というのも、

近年、ラブアン財団の財産隔離機能のメリットに着目した方々が、財団の口座をマネー・ロンダリング等に利用したケースが多く発覚し、

銀行側が、財団についてはさらに警戒を高めているためです。

 

今のところ、弊社クライアント様のケースでは無事に開設は認められておりますが、

普通のラブアン法人の口座開設に比べると、申請から認可までの時間が非常に長くかかっております。


それではまた。

2018年12月19日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

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