2019年ラブアン法人税の改正 その2|ライセンス会社やホールディング会社は従業員要件等が追加されました。

こんにちは。

KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

 

昨年末ころに、ラブアン法人の税制が改正され、2万リンギットが撤廃となる旨お伝えしました。

その際、ラブアン法人の実体がより求められるようになるかもしれないと記載しておりましたが、

その実体要件に関して、ラブアン信託会社からアップデートがありましたので

シェアさせていただきます。

 

ひとまず、英語またはマレーシア語がわかる方は

ラブアン当局のウェブサイトに掲載されていた下記のページをご覧いただくのが早いかと思います。

この実体要件に関して最近発表された規則(Regulations)が掲載されています(PDFの前半がマレー語で後半が英語です)。

 

この新規則によりますと、

保険業、ファンドマネージャー業、マネーブローカー業、銀行業等のライセンス事業を行うラブアン法人は、

この新規則に記載されているとおりの実体要件をラブアンにて満たす必要がある、

とのことであり、

その要件とは、

業種ごとに分類されて、常勤スタッフ2~4人が必要であったり、ラブアン島での年間支出が一定額以上必要である

とされています。

 

これらの要件を満たさない場合は、

通常のマレーシアの法人税制で課税の対象となるようです。

 

ここまでは、私も事前になんとなく口頭レベルで聞いていたのでそれほど大きな驚きはないのですが

私にとって衝撃的であったのは、

ライセンス事業会社がずらずらとリストアップされている一番最後の行に、

Holding Company と記載があり、ラブアンの常勤スタッフが2名、ラブアン島での年間支出が最低5万リンギット必要

と定められています。

 

まだこの新規則に記載されている言葉の定義が明らかではないので

私も確かなことは申し上げられませんが、

これはつまり、

上記のようなライセンス事業会社のほか、

グループ会社の株式の保有などのみを行うInvestment Holding 活動のみを行うような会社も

常勤スタッフや年間支出要件が適用され、

そして、その要件は、Holding Companyの場合は

ラブアン島にオフィスを置き、常勤スタッフ2名の採用、年間支出5万リンギットが求められる

ということである可能性が高いかと思います。

 

もし本当にこのようなことであれば、

小規模での投資活動には見合わないということになりますので、

投資会社を設立されるなら、ラブアンではなく、別の国を選択肢として検討されたほうがよいということになるかもしれません。

あるいは、

事業会社として設立し、その一環として投資活動を行うか、ということも検討する必要があるかもしれません

(もちろんその事業の実態がなければ、Holding Companyとして認定される可能性はあるかと思いますが)。

 

ただ、すでに何千ものHolding Companyがラブアンに登録されているでしょうし、

ラブアン島内に、それだけの数の従業員やオフィスを提供できる環境があるとも思えませんし、

実際のところ、どのように運営されていくのか謎です。

 

なお、

この新規則を見る限りでは、

Investment Holding以外の事業活動を行うラブアン法人(コンサル業や貿易業やIT業など)やラブアン財団は

今のところこのリストには入っておりませんし、

実際、提携先のラブアン信託会社からは、

このリストにあるライセンス会社やHolding会社にのみこの新要件が敵ようされると聞いております。

 

ただ、マレーシアは、まだまだ新政権による大改革の最中ですので(MM2Hやパイオニアステータスなども保留になったままです)、

ラブアンについて、さらに何らかの新要件の発表がある可能性は捨てきれず、

今後も注視が必要です。

(実際、何らかの新規則の発表があるかもしれない、という情報も今日入ってきました。

内容はまだ不明です)

 

ちなみに、

この新しい規則は、マレーシア国内の税務当局等からの要請のみにより発生したものではなく、

OECD諸国から世界中のタックスヘイブン等へのリクエストの一環ですので

今後は、ラブアンだけでなく、他の国(税率が低い国)等も同じように改定されていくかと思います。

 

また、ラブアンについても、

今のところ実体要件を免れることができている事業体(=普通のラブアン事業会社や財団など)についても、

もしかすると、今後のラブアン当局・マレーシア・OECD諸国との話し合いの進展によっては

それらの事業体についても、上記のようなライセンス会社ほどの要件ではないにしても、

ラブアン島での実体要件が求められる日がくるかもしれません。

 

それではまた。

2019年1月15日

司法書士 熊木 雄介
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