【ラブアン法人】マレーシア税法が適用されることによる新たな税務上の論点:みなし利息

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こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

このブログでもこれまでにご案内してきました通り、
昨年末から今年年初にかけてラブアン法人の税制が大きく改正され、
税務当局(IRB: Inland Revenue Board)の解釈を前提とすれば、
多くの業種がラブアン税法(LBATA:Labuan Business Activity Tax Act)の適用対象ではなくなり、
一般のマレーシア税法(ITA: Income Tax Act)が適用されるということとなりました。

そして、
マレーシア税法が適用されることとなったことにより、
これまでのラブアン税法時代にはなかった様々な税務上の論点がでてきておりまして、
そのうちのひとつとして、
ラブアン法人から取締役個人への貸付に対する「みなし利息(Deemed Interest)」
というものがあります。

マレーシアの税の専門家であるTax Agentによりますと、
みなし利息の制度とは、

法人が、取締役等の役員に対してお金を貸し付けた場合に、
実際には法人が役員から貸付利息を受け取っていなかったとしても、
通常取得すべき利率(マレーシアの場合、年利4~5%)により計算した利息を法人が受け取っているものとみなして、
その利息収入に対して法人税を課税する、

というものとのことです。

たとえば、
法人から役員個人への貸付が1000万円ある場合、
その貸付に対して役員から利息を受けていなかった場合でも、

1000万円×年利4.5%(※)=年間45万円

※この4.5%はこの計算のための仮の利率です。
実際に適用される利率はその時々によって変わります。

が法人の利益として認定され、
そして、その45万円に対して、法人税率(17~24%)をかけたものが
法人税として発生する、
ということのようです。

注意点としては、
この「会社から役員への貸付」に該当する「貸付」については、
会社と役員との間でローン契約を行って貸付がされたというような場合だけでなく、
たとえば、

  • 役員が会社の口座から私用でお金を引き出したもの
  • プライベートの支払いを会社の口座のお金で行ったもの
  • 会社の売上を個人口座で受け取り、そのまま会社の口座へ移していない場合
  • 株主でもある役員が払い込むべきい資本金の支払いをまだ行っていない場合

なども、会社から役員に対する貸付と認定され、上記の利息収入が認定される場合がある
とのことです。

したがいまして、取っていただくべきアクションとしましては、
会社の貸借対照表を見直していただき、
もし会社の資産の部に、取締役への貸付が計上されている場合は、
それをできる限り低い金額に抑えるため、
個人口座から会社の口座へお金を戻す等をTax Agentなどとも話し合いながら
行っていただくのが良いかと思います。

また、売上などを受け取る口座も、できる限り法人口座で直接受け取っていただき、
もしそれが難しい場合は、個人の口座などでいったん受け取った場合も
できる限り早く法人口座へ移していただく、ということが必要かと思います。

なお、会社の貸借対照表上に
貸借対照表上、資産の部(Assets)に取締役への貸付がどのような表現で記載されているかといいますと、いくつかのパターンがありますが、

  • Amount Due from Director
  • Amount Due by Director
  • Amount Owing by Director

などと記載されていることが多いかと思います。

貸借対照表上の負債の部(Liabilities)に、

  • Amount Due to Director
  • Amount Owing to Director

などと似たような記載がある場合もありますが、
この場合は逆に、取締役から会社への貸付がある、
という意味となります。

 

それではまた。

2021年5月16日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

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