マレーシア医療費の高いインフレ率と、マレーシアでの医療保険について。

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こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

2月末に左肘を骨折した影響で、キーボードを打つのもままならず、
3月中はブログ更新は抑え気味にして肘への負担を減らし、
ひとまずクライアント様からのメールへの返信に力を注いでおりました。

最近ようやく、数週間リハビリに取り組んだ甲斐もあり、
本来のタイピングスピードの70~80%くらいまで戻ってきた感があります。
新型コロナの影響や首相交代など大混乱状態のマレーシアではありますが、
腕もある程度動くようになってきましたので、引き続きハードに働いていきます。

 

さて、今回はマレーシアの医療費や保険の話を。

3月3日に投稿したブログ記事下記ましたが、今回の手術代、3泊4日の入院代が約32,000リンギ(=約85万円)というなかなかの金額でした。

お恥ずかしながら想定していた金額はせいぜい30万円~40万円くらいでしたので、想定の倍以上…。私が認識していた「マレーシアは医療費はそれほど高くない」というものとは大きく異なる状況になっているように感じましたので、この機会に、マレーシアの最近の医療費事情について少し調べてみました。

 

…調べてみた結果、今回の医療費が想定外に高かったのも納得で、
2019年末から2020年にかけて、以下のような記事がありました。

1)Healthcare inflation rate set to go up
https://www.thestar.com.my/opinion/letters/2019/12/09/healthcare-inflation-rate-set-to-go-up

2)Shock over consultation fee news
https://www.thestar.com.my/news/nation/2019/12/08/shock-over-consultation-fee-news

3)Health Insurance Premiums Raise 30% Amid Medical Inflation
https://codeblue.galencentre.org/2020/01/16/health-insurance-premiums-rise-30-amid-medical-inflation/

 

詳細は上記リンク先をお読みいただければと思いますが、
上記の1つ目の記事「Healthcare inflation rate set to go up」は、2017年の調査結果ではありますが
マレーシアの医療費のインフレ率が
その調査の対象となったアジアの11カ国の中で、
インドの14%、インドネシアの13.1%に続いて3番目に高い12.7%であった
と記載されています。2019年12月の記事です。

毎年12%のインフレが続くと
3年で1.2倍、5年で1.5倍、7年で2倍ほどになることになりますから
おそろしいです。

 

2つ目の記事は、
マレーシアの市立病院の診療代(Consultation Fee)に関して規制緩和の動きがある
というニュースのようです。
こちらも2019年12月の記事です。

私としては、診療代金は今の時点でも病院ごとに大きく異なるので
すでに自由化されていると思っていたのですが
いちおう診療代金の下限・上限を決めるルールが今はあるのかもしれません。

なお、この記事では規制緩和の対象になるものに関して Consultation feeという文言がつかわれていまして、
通常、マレーシアの病院で診察を受けた場合、Consultation fee とは初診代金等の医師の診察代(病院によって数十リンギットから百数十リンギ)などを指しますので、
もしかしたらそれのみを指しているのかもしれませんし(であれば影響はそれほど大きくない)、
あるいは医療費全体の規制緩和なのかはよくわかりません。

 

3つ目の記事は
上記の医療費のインフレ等を背景として、
医療保険の保険料が引き上げる動きがあることが述べられています。
記事内に記載されている保険会社AIAのスポークスマンの談によりますと、
保険会社側としてはもともと6~8%の医療費インフレを想定して保険料を設定しているところ、
それを大幅に上回る12~13%の増加率で保険請求が届いているため、
保険料引き上げが検討されている、とのことです。
こちらは2020年1月の記事です。

今まではマレーシアの医療費は、
10割を自己負担したとしてもそれほど大きな金額ではなかったですので、
マレーシアでは医療保険に加入しないという選択肢もありと言えたかと思いますが、
上記のような医療費増加の背景からしますと
今後マレーシアに移住される方や
すでにマレーシアに住んでいるけれど保険に加入していない方は
医療保険への加入をご検討されるとよいかと思います。

なお、我が家も、今回の骨折を機にマレーシアで日系の医療保険に加入しまして、我が家の場合は5人家族で、手術や入院の場合の費用を一人あたり最大年12万リンギまで負担してくれるタイプのもので、5人分の年間保険料が4,500リンギほどでした(掛け捨てです)。

マレーシアの個人向け医療保険のほとんどは基本的に入院・手術をする場合の医療費を負担してくれるものであり、普段の風邪での通院で入院等を伴わないものは自費で全額を払うことになります(これは、街中のローカルクリニックですと1回数千円前後から1万円前後なのでそれほど大きな負担ではありません)。

 

マレーシアの医療保険を調べる際には、「Best Medical Insurance in Malaysia in 2020」などのキーワードで検索すると
医療保険の比較サイトがヒットします。
それらをいくつかみれば、
どのような保険会社があり、それぞれがどのようなプランを提供しているか
を把握していただくことができるかと思います。

たとえば、

Best Medical Cards in Malaysia 2020 ?
https://howtofinancemoney.com/best-medical-card-malaysia

Best Medical Insurance/takaful
https://www.imoney.my/medical-insurance

などがあります(上記リンク先の内容の正確性等は私の方ではチェックしておりませんので自己責任でご参照ください)。

 

日系の保険会社が、マレーシアに支社を構え、
日本語でのサポートも提供しておりますので、
日本語でのサポートをご希望の場合は、「マレーシア 医療保険 日系」などで検索して
お問い合わせされるとよいかと思います。

 

あるいは、
マレーシアだけではなく、
他の国でも利用できる国際的な医療保険というものもあります。
保険料は大幅に高くなりますが、
資産運用とセットになっているようなプランもありますので、
興味のある方は、マレーシア国内に日系の保険アドバイザーさんなどもいらっしゃいますので
ご相談されるとよいかと思います。
私個人的には、私程度の海外出張の頻度であれば、
海外出張の都度、旅行保険を購入するほうが安いように思いますので
これには加入しておりませんが、
海外出張が頻繁にある方や、
投資性・貯蓄性のある保険を選び、一定の条件に当てはまる方は、この国際的な医療保険が適しているかもしれません。

 

ちなみに、
2019年の前半ころ、私の娘が軽い肺炎で同じ病院に2泊3日した際の請求額は RM3,500程度でした。
ですので、もしかすると、
私が思っていた以上に私の左肘の骨折の手術は複雑で、
かつ、全身麻酔もしましたので、その後の入院時のケアも注意を要するものであって
それゆえにそれなりの高い金額になってしまった
ということはあるかもしれません。

保険は結構高い買い物ですので、ご自身でも色々と調査され、保険会社や保険アドバイザーに相談されるだけでなく、中立な立場の方からのアドバイス等も得た上で、各家庭の医療リスクや財政状況等をすべて考慮したうえで、ご判断いただくのが良いかと思います。

 

追記(2022年2月11日):ラブアン法人ガイド

マレーシアでの法人設立に関しましては、
主には国外向けのビジネスや投資を行う場合が対象ですが、
マレーシア国内の国際金融/ビジネスセンター、ラブアン島にて法人を設立、就労ビザを申請する
という選択肢もございます。

このラブアン法人につきまして、

  • ラブアン法人の設立
  • 銀行口座開設
  • 就労ビザ・扶養家族ビザ申請
  • 税改正
  • 税申告の流れ
  • ラブアン法人をご利用いただく場合の注意事項
  • 設立、口座開設、ビザ申請、法人維持の費用
  • 弊社へご依頼いただく場合のサポート費用

などをまとめたPDFを
USD100(約11,000円)にて販売しておりますので、
ひとまず体系的に情報をご入手いただきたい場合は、下記の弊社オンラインストアより、
「ラブアン法人設立、口座、ビザ申請ガイド」をお買い求めくださいませ。

合計93ページ、約49,000字のボリュームとなっております。

2021年末の最新の改正内容も盛り込んでいるほか、
ラブアン法人のことだけでなく、一般のマレーシア法人との比較なども解説しておりますので、
マレーシア法人とラブアン法人のどちらを設立するかを悩まれている方にとっても役立つ内容かと思います。

単なる一般的な情報の羅列ではなく、
弊社の経験をベースとして、実務上の取り扱いなども多く盛り込んでいる点が一般的な市販の書籍やネット上の情報などと異なる点です。

 

お支払いにつきましては、
Paypalのほか、「別のお支払方法」から、クレジットカードでご購入いただくことが可能です。

 

当ガイドの購入費用につきましては、
購入後1年以内に実際に法人設立費用に進むこととなった場合には、
設立サポート費用から控除させていただきます。

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目次:

なお、マレーシア法人設立につきましても、
現在、設立ガイドを作成中ですので、完成次第、上記のオンラインストアにアップさせていただきます。

今のところは、まだ有料で販売するほどのボリュームや完成度ではありませんので、
マレーシア法人の設立をご検討されている旨をメールいただきましたら、
無料で交付させていただきます。

その他のサービス、分野等に関しましても、随時、執筆していきますので、
完成次第、オンラインストアにて販売させていただきます。

 

 

それではまた。

2020年4月7日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

※ ご相談やお仕事のご依頼につきましては、まずはEメールにて、ご相談内容・ご依頼内容をお送りいただけますと幸いです。

※ 弊社は、毎月複数件のラブアン法人設立、就労ビザ申請、法人口座開設をお手伝いさせていただいております。また、我々司法書士には守秘義務がありますので、安心してご相談くださいませ。

※ 匿名でのお問い合わせや十分な情報をいただけないお問い合わせにはお応え致しかねます。あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。

 

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