マレーシア人とのメールやり取りの難しさ。

ガンバ大阪のホーム、パナソニックスタジアム吹田にて。上段席でさえもグラウンドがすごく近く感じる造りで最高でした。

こんにちは。
KSG Holdings Ltd.の司法書士 熊木です。

2週間ほど休暇もかねて日本に一時帰国しており、
昨晩、マレーシアへ戻ってきました。

今日はマレーシア人とEメールでやり取りをする難しさとその対応策について書こうと思いますが、
以下で述べるマレーシア人の特徴は日本人の感覚からすると、
理解が難しく、ときに怒りを感じてしまうことかもしれませんが、
所変われば、商習慣やコミュニケーションの方法も大きく変わるもの。
私の経験上、それらに対して怒ったところで文化の違う相手には伝わらない部分も多いですし
マレーシア人は相手が怒っている場合、「しっかり対応しなければ」と感じる人よりも
「面倒くさいので後回しにしよう」と考える人が多いような印象もあります。

異文化の相手方のスタイルを理解し、
それに合わせて、どのように進めればスムーズに進むかを考えることが大切です。

 

なお、以下で述べることは
あくまでも私自身のマレーシアでの就業経験の範囲内から感じたことですので、
もちろん、マレーシア人にも個人差はあり、以下には当てはまらないような方も多くいますので悪しからず。

また、
ここでマレーシア人の特徴として書くことは
どうやら、他の国で働いている日本人の方々のお話を聞きますと、
他の国々でも多かれ少なかれあるようですので
マレーシア人の特徴というよりも、日本以外の多くの国々の方々の特徴といえるかもしれません。
いやむしろ他の国の習慣や文化の方が世界的にみれば一般的で、
日本人が特異なケースであり、その意味でも、やはり歩み寄るべきはこちら日本人側なのかもしれません。

 

マレーシア人のメールコミュニケーションの特徴と対応策

1.返信が非常に遅い

マレーシアでは、
数営業日から数週間、一切返信がないというようなこともよくあります。

この理由としては、私が思うに、のんびりしていて仕事が遅いというだけでなく、
マレーシアには、繋ぎの返信、たとえば「メール受け取りました。確認をしてから、また改めて返信します」というような返信をする文化がなく、回答できる準備が整うまで返信をしないため、
日本人からするとレスポンスが遅いと感じる場面が多く発生しているように感じます。
実際、簡単な内容のメールには、わりとすぐに返信がきます。

日本人とのやり取りになれているマレーシア人の場合は、繋ぎのメールを送ってくれることもありますが
そうでない場合は、
メールを送った後、再度現状確認のメールをするか、
WhatsApp(LINEのようなもの)などのチャットサービスで相手方に連絡し、現状を確認されるのが良いかと思います。

なお、マレーシアの場合、
ひとつの企業でも、その中で働いている社員同士の連携はあまりありませんので、
企業毎に文化の違いがあるというよりも、担当者レベルで結構仕事のすすめ方が違ったりします。担当者が変わるごとに、担当者に合わせて、コミュニケーションの仕方を柔軟に変えていくことも必要です。

 

また、「今後、できる限り、頻繁にアップデートの返信をお願いします」というようなことを一度言ったとしても、
一度いっただけではその重要度が伝わらず、次回からはまたアップデートがないというようなことも多いです。
ご自身が求めることは、明確に、繰り返し伝える必要がある、とご理解いただいた方がよいです。

 

2.回答が漠然としている。

マレーシアの専門家(弁護士、会計士、銀行員等)にメールで質問をした場合、
上記のとおり返信が遅いうえに、
数週間待った挙げ句に届いた回答が非常に漠然としていてあまり参考にならない
というような場面も多いです。

また、あまりこちらの立場にたった具体的なアドバイスも少なく、
「法律的には~です。」というような枠組みを教えてくれるだけの回答にとどまる場合も多いです。

これは、
専門家側があまり責任を取りたくないというところからきている側面が強いかと思いますが、
マレーシアでは、法律的に明確な結論がない論点も多くあり、
また、その論点について専門家から監督官庁に問い合わせたとしても、官庁側から返事が無いことも多いため、
専門家からクライアントへの回答までも曖昧で遅くなってしまう
という事情もあります。

私の感覚からすると、
それらの事情(明確な解釈もなく、管轄官庁からの回答もない等々)もクライアントに伝えたうえで、
専門家自身のもう少し踏み込んだアドバイスを参考意見としてでも出してあげることはできるのではないかと感じるのですが、
あまりそのようなこともなく、単に法律的な枠組みを伝えるだけでメールでのアドバイスは終了、
という専門家が多いです。

この点、メールでのやり取りでは漠然とした回答しかくれない専門家でも、
直接会って話をしたり、WhatsApp(LINEのようなサービス)等のメッセンジャーでのやり取りであれば、
結構踏み込んだアドバイスをしてくれることがあります。

メールでのやり取りでは埒があかないとお感じになった場合、
まずはWhatsAppやSkypeなどのチャットサービスを使ってコンタクトをされるとよいかと思います。

マレーシア人の専門家は、名刺などに個人の電話番号やSkypeIDを記載している人も多いですし、
彼ら自身もメールよりもそれらでのコミュニケーションを好む人が多いですので
就業時間中であれば遠慮なくそれらでメッセージを送っていただいても大丈夫です。

 

3.質問を無視される

たとえば、3つの質問を投げかけた場合、そのうちの1つのみに回答があり、他の2つには一切言及がない、
というような場面もよくあります。

その場合、投げかけた3つの質問が
「~しても大丈夫でしょうか」というようものであった場合、
日本人の感覚からすると、3つの質問のうち1つのみにNOの回答があり、他の質問にはNOの回答がなかったため、
回答がなかった2つについてはOKの意味であると解釈される方も多いですが、
上記のとおり、マレーシア人は、「回答が出せるようになるまで何も言わない」というような習慣もありますので
言及されていない質問については、YESともNOとも判断せず、
再度、それらの質問について明確な回答を求めるのがベターです。

回答が保留にされたということは、
上述のとおり、相手方にとって調査や確認が必要なややこしい事項である可能性がありますので、
メールでの返信を得るには時間がかかることもありますから、
WhatsAppやSkypeなどでのやり取りに切り替えることで、どのような点が調査や確認が必要であるかなどのアップデートについては
わりと早く知ることができるかもしれません。

 

4.こちらが本当に知りたいことを読み取ってはくれない

専門家に質問する場面では、
日本人は、質問者側(=素人)の質問の意図を積極的に読み取り、ある程度先回りした回答をしてくれることを専門家に期待しますが、
マレーシア人専門家の場合には、それは期待されない方が良いです。

聞かれたことにそのまま回答するのが普通ですし、
その際に、この質問者が本当に知りたいのはおそらくこういうことだろうから、その点を答えておいてあげよう
というような気の利いたことはほとんどありません。

「あの質問をしたときに、ついでに教えてくれたらよかったのに、、、」というような場面があったとしても
「聞かれなかったので回答しませんでした」で終了です。

この背景は、
マレーシアやラブアンの会社法上では、取締役自身(=質問者側)は会社法等のことをすでにある程度は知っているべきという法律になっているので、専門家側にはそこまでの責任が及ばない、
という点もあるかと思いますし、
マレーシアではシンプルに質問し、シンプルに回答するのが好まれる、
というような背景もあるかと思います。

ですので、
マレーシアで専門家に質問をする際には相手に丸投げでは駄目で、
ご自身でもある程度は勉強され、論点を把握されたうえで、明確に、簡潔に質問する力が必要となります。

 

5.期限ぎりぎりに返信してくるくせに、こちらには急がせる

たとえば、決算の業務を会計事務所に依頼した場合、
期限に余裕をもって数ヶ月前に依頼をしたのに、
期限のぎりぎりまで特にアップデートもなく、
そして、期限ぎりぎりに随分久しぶりに連絡があったかと思えば、
こちらが対応必要なことがずらずらとならんでおり、
「期限が数日後ですので、明日までに対応してください」というようなことが書かれていたりします。
そして、そこには、期限がぎりぎりになってしまったことに対して申し訳ない旨の一文などはおかれていたりしませんので、
日本人の感覚からすると「相手の仕事が遅いために期限がせまっているのに、そのことに対する詫びも一切なく、明日までの対応を求めるなんて!」と怒りの感情がわきますが
これもわりとよくあることです。

私の経験上、
日本人と違い、そもそも物事に対して自分の責任であると感じにくい人たちであるように感じますし、
実際、彼ら雇われの立場としては、会社から与えられた仕事を順にこなすことが彼らの仕事ですので
仕事が遅れてしまったのは彼らの責任ではなく、会社のマネジメントの責任であると感じている部分もあり、申し訳ないという感情が実際に湧いてこないのだと思います。

また、スムーズに期限までに仕事を完了させることができればベストですが、
彼らとしては、バタバタしながらも、なんとか仕事を終わらせることができれば(期限を過ぎてしまったとしても)、
それでクライアントに対する義務は果たしたと考えている様子もあります。
期限というものに対する感覚が日本人とは全く違いますので、、、。

この点も対応策としては、
やはり任せっきりにはせず、こまめに現状の確認をすることが必要かと思います。
それでも遅れるときは遅れますので、もはやそういうものであるとある程度開き直りながらでないと
心の平穏を保ってマレーシアでは仕事ができなくなります。

 

6.メールの文面が冷たい

日本人の場合、何かネガティブなことをメールで伝える場合には、
「非常に残念ですが」というようなニュアンスのことをメールに書いたり、
そして、「次善策として、~というような方法が考えられます」というような、次のステップを書いてあげたりしますが、
マレーシア人のメールでは、
「残念ですが~という結果となりました。」で終了です。

これは、
上述したとおり、まだ方向性や回答が定まっていないことにはメールでは一切言及しない
という特性がありますので、
次善策についてまだ結論がでていない場合には、「次善策について現在検討中です」というようなこともメールには記載されず、
単に確定しているネガティブな結果の部分だけが記載されている、
ということになったりするのではないかと思います。

「残念ですが~という結果となりました。 以上」というだけのメールを受け取られた方は
その冷たい文面に少し怒りを感じることもあるかもしれませんが、
それで会話が終了しているわけではなく、そこからやり取りをして次善策を話していくという前提がありますので、
冷たいメールを受け取ったとしても、怒りを沈め、そこから次の方法のお話し合いに入っていかれるとよいです。

 

7.すぐに面談でのミーティングを求めてくる

マレーシア人は、メールで長々と説明するよりも、会って直接話す方が速いと考えている人が多い印象です。

でも実際のところは、私の経験上、マレーシア人からそう言われて会いに行くと、実際はそれほど複雑な内容でもなく、
ミーティングのための移動時間や日程調整などを考えると、メールでやり取りした方が圧倒的に早く、記録にも残るのに
と感じたことが多々あります。

この点は、本当にマレーシア人が「会って話す方が速い」と考えているのかもしれませんし、
あるいは、長いメールを書くよりも話す方が彼らにとっては労力が少ないので単に楽をしたがっているだけなのかもしれません。
もしくは、法解釈等でグレーな部分については、メールのような記録にはあまり残したくないと考えているのかもしれません。

これに対する対応策は難しいですが、
頑なにメールやチャットでのやり取りを希望してはいつまでたっても返信がないことがありますし、
専門家に依頼をするということは、ある意味、その専門家の仕事のやり方を受け入れるということでもありますので
できる限りメールやチャットで進めるようにお願いしつつ、相手方が面談が必要といえば、それは相手に合わせる必要もあるかと思います。

ただ、このようなことをやっているために、マレーシア人はいつも面談でスケジュールが埋め尽くされており、
移動や雑談などで時間を費やされ、結果、メール返信が遅れる、、、というような悪循環に陥っているようにも見えますので、
メールやチャットなどのテキストやり取りで済むものはそれで効率的に対応し、
もう少し仕事をスピーディーにしてくれればとは常日頃感じております。
( テキストでやり取りしていればある程度ひな形もできてくるので、加速度的に効率も良くなっていきますし )

 

8.質問の意図を書いてくれないので、何を答えてよいかわからない

この点も私がマレーシア人とのメールやり取りで非常に苦労してきた部分ですが、
専門家(弁護士、会計士等)がクライアントに何か質問をするときに、
「なぜその質問をしているか」というようなことを書いてくれません。

たとえば、「法律的にAかBかということを判断するために、熊木さんがCをしたかどうか知りたいのですが、いかがでしょうか?」
とかいてくれれば、Cという単語の定義も文脈からある程度定まるため、YESかNOという回答もしやすいです。

ところが、単に「熊木さんはCをしましたか?」と聞かれると、
そのCという言葉の定義もはっきりしないので、YESかNOかも答えにくく、
結局、その質問の背景を聞くためのメールを一度送り、
そしてそれに対してまた数日後に曖昧な返信があり、
さらにそれに対して返信をして詳細を聞き、、、
というような非効率なやり取りが繰り返されます。

説明が不足するという点では、
何かの書類に署名をお願いされる場面でも
フォームをメールで送ってきて、2部にサインしてください
とだけかかれているのでそのとおり対応し提出した後に
後から記入も必要で、捺印も必要ですと言われたりして提出し直す、ということが、
マレーシア中で、マレーシア人と日本人間だけでなく、マレーシア人とマレーシア人間でも多発しており、
非常に効率が悪いです。

この点も、対応策はなかなか難しいです。
マレーシア人にとっては、簡潔にメールを送り、質問があれば受けつけてそれにまた簡潔に回答する、
というコミュニケーションの方法がしみついていますので、
われわれがそれに対して違和感を感じるように、彼らも、我々日本人が求めるものに違和感を感じ、
なかなかこちらが求める通りにはなりません。

対応策としては、
メールでの細かいやり取りではスピーディーに進まないことも多いですので
WhatsAppやSkypeなどのチャットサービスなどを使いながら、
根気強くそういうものだと割り切って進めていくしかありません。

 

終わりに

冒頭で「対応策」を書くと書きましたが、
残念ながら、彼らのやり方を日本人のやり方に合わせるという対応策はなく、
結局、相手にあわせながら、怒りを沈めつつ、根気強く対応していくしかありません。

私もマレーシアに移住してきたころには、マレーシアではリラックスして心穏やかに南国タイムで仕事をしようと考えておりましたが、
マレーシアでは逆にあらゆることがスムーズにいかず、いつも遅れが生じるような状態ですので
むしろ常にピリピリとしている感じが正直あります、、、。

ただ、マレーシアでのビジネスは、そういう面ではなかなか大変ではあるものの、
私は、それも含めて異文化体験の面白さであると感じますし、トラブルあるところに成長ありですので、
そういう意味では日々充実し、素晴らしい環境であるとも思っています。

 

それではまた。

2019年8月18日

司法書士 熊木 雄介
Email: info@office-kumaki.name

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