外資100%での会社設立が認められていたり、ローカルの取締役が必須でなかったりと、一見開放的な外資誘致政策をとっているように見えるマレーシアですが、実は一点、大きな障壁があります。
それは、
マレーシアで外資が小売業・卸売業・レストラン業等の事業を始める場合、非常に高額の資本金で会社を設立することが求められる
ということです。
その額はなんと100万RM(マレーシアリンギット)、本日現在の為替レートで計算しますと約3100万円です。
なんのためにこれだけの資本金が必要になるかと言いますと、ひとつに上記事業をするために必要な認可を当局(国内取引・協同組合・消費者省 Ministry of Domestic Trade Co-operatives and Consumerism: MDTCC)から受けるためで、もうひとつにワークパーミット(Employment Pass)を取得するためです。
マレーシアで外資が小売業・卸売業・レストラン業等の事業(輸入業、輸出業も含みます)をする場合、国内取引・協同組合・消費者省から、Wholesale trade and Retail trade License(いわゆる WRTライセンス)を取得しなければならず、その取得のための最低資本要件が100万RMなのです。
また、外国人がマレーシア国内で就労するためのビザであるワークパーミットを取得するためには、当外国人が働く会社自身が上記WRTライセンスを取得していることが条件であるため、ワークパーミット取得のためにも、WRTライセンスの取得が必要となるというわけです。
「外資が 〜(略)〜 等の事業をする場合」と書きましたが、これは外資100%の場合のみを指すのか、それとも外資が過半数以上を保有している場合を指すのか、はたまた1%でも外資が保有している場合を指すのか、という疑問をもたれた方もいらっしゃるかと思います。
この疑問に対する回答は、説明が長くなりますので後日改めて投稿したいと思います。
それではまた。
司法書士 熊木雄介
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